ロレックスを自分で修理した話(DIY)③ デイトジャスト16233

どうも、もんちです。

前回までの分はこちらでご確認ください。

ロレックスを自分で修理した話①

ロレックスを自分で修理した話②

今回はパーツを洗浄して、ゼンマイの交換作業を行い、組み立てます。

ベンジンでパーツ洗浄する

まずはベンジンと洗浄容器を用意します。

程よい大きさのガラス容器を用意します。

地盤などをこのようにベンジンに漬け、ゆらゆらさせたりします。

外に出して歯ブラシなどで磨きます。

歯車などのパーツも同様に洗浄します。

そして問題のあったローター軸ですが、これもしっかりと洗浄します。

洗浄前

写真を拡大してみると汚れ具合がよくわかります。

洗浄後

汚れが取れてきれいになりました。

ゼンマイの交換

次は本命の香箱の中身、そう、ゼンマイの交換作業を行います。

中を開けてゼンマイの状態を確認します。

後ろから軸をぐっと押すと、パコっと蓋が外れます。

やはりゼンマイが切れてました。

それにだいぶ削れたり汚れが溜まっています。

まずはゼンマイを取り出します。

注意!

取り出すときは慎重に行います。

金属ですから、ぴょーんと飛び出す可能性があります。

時計の分解作業はどうしてもパーツに顔を近づけがちですが、

最悪の場合、飛び出したゼンマイが目に刺さったりして失明する可能性もあります!

またゼンマイが飛び出した勢いで指を切らないように気を付けましょう。

必ず防御しながら慎重に取り出します。

さて、香箱も他のパーツ同様、一度ベンジンに浸して、しっかり洗浄します。

新しいゼンマイを入れる準備を行います。

新しいゼンマイを香箱の上にセットします。

ピンセットを押し当てながら、グイっと下に押し込みます。

ここは、2つのピンセットを利用した方がやりやすいかもしれません。

とにかく飛び出さないように、2本のピンセットで押さえながら、片方ずつ、えいやっ!とやります。

うまいこと入りました。

香箱芯を取り付けます。

グリスを入れて、蓋をします。

上から押さえます。

写真の通り、香箱を置くのに穴の開いている土台と押さえを使っています。

ちょうど芯に当たる部分を避けるためです。

これで上下からプレスされた形で香箱の蓋がカチっというまで押します。

香箱が仕上がりました。

軸にもオイルを挿しておきます。

組み立てる

では組み立てていきます。

手順は分解したときと逆になります。

地盤をムーブメント台にセットします。

まずは香箱を入れます。

輪列を組んでいきます。

輪列を固定する地盤を仮止めして輪列の動きを確かめます。

動画です。


輪列と軸受けがカチっとハマっていれば、香箱を軽く回すだけで全ての歯車がきれいに動きます。

輪列の動きを確認したあと、地盤をねじ止めし、アンクルを取り付けます。

アンクルの爪ルビーや軸受けのルビーなどにオイルを挿しながら、あとは全部端折りますけど、外したものをすべて元通りにはめ込む作業となります。

テンプまで取り付けてひと段落です。

ここまでの作業で特に難しいのは、きちんと輪列を組んで地盤をはめる作業と、アンクルを取り付ける作業とその爪へのオイル挿し、テンプを取り付ける作業・・・といったところでしょうか。

 

・・・って全部やんけ!

 

さて、裏返して、カレンダー機構と文字盤を取り付けていきます。

写真を撮り忘れたのですが、時間送り用の歯車などを元通りに組み立て、カレンダーのクイックチェンジ機構などを組み立てて、カレンダーを取り付け、文字盤を取り付けます。

それで、お次は針を取り付けていきます。

まず、時間針を取り付けます。

いきなり全力で押し込むと押し込みすぎてしまいます。

押し加減が絶妙なので、入り具合を確認しながら押し込んでいきます。

分針を取り付け、確認し、秒針を・・・と順に取り付けます。

横から見るとこんな感じです。

3つの針が干渉しあわないように取り付けできたら成功です。

では、ムーブメントの動作チェックです。

テンプは元気に動いてます。

問題なさそうです。

この状態で、タイムグラファーにかけて、テンプをいじって精度を調整するんですが

今回は見事に日差+3秒ほどでビートエラーもなく、テンプの振り角もばっちりでした。

精度の確認を行ったところで、ローターを取り付けます。

バラバラだった自動巻き機構を組み立てます。

必要な個所にオイルを挿しておきます。

そしてムーブメントに装着!

次はオイスターケースに取り付ける前に、ケースをきれいにしておきます。

特にサファイヤクリスタルは念入りにごみを取り除きます。

ムーブメントを入れます。

パッキンのОリングを新しいものに変えて、裏蓋を閉めます。

閉めるときも同じく、押す力と回す力は9:1くらいの割合で。

ブレスを取り付けて無事完了です。

文字盤は腐食のままですが、頃合いをみてヤフオクなどで同じものを落札して取り換えようかと思います。

あと、リューズのキャップ(クラウン)は、もう限界っぽいので、これまた頃合いを見て交換していこうと思います。

なにはともあれ、これで無事修理が済んだので、めでたしめでたし。

あと5年くらいは普通に使えるんじゃないでしょうか。

 

2 COMMENTS

まめお

おはようございます
つくづく思いますがもんちさんは器用な方ですね。
ロレックスまで修理してしまうとは・・・・
私は子供時分ガンプラを作れなかったころから一歩も進化していません

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もんち

おはようございます!
いつもコメントありがとうございます。
本業では高級時計の買取などをしておりますので、機械式時計を触る機会は多かったのですが、やはり中身を触りたくなってしまったんですよ。
自分のオメガを分解して壊したのが最初ですね(笑)
それで、何個か分解・組立という作業をしたところ、それ自体はそこまで難しい作業ではないと気付きました。
ただ、本当の時計技師であれば歯車などの部品も自身で作られるので、さすがにその領域まではできません(笑)
私の場合は、故障した原因がわかれば交換パーツをなんとか取り寄せて組み直すくらいしかできないです。
本当は性格はかなり大雑把でして、細かい作業が苦手なんです(笑)
ガンプラは接着剤をはみ出させたりしますし、やすりがけなど細かい作業が苦手でして、1度しか作ったことないです(笑)

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